アートコレクター入門【最初の一歩。どこで何を買うのか】

しゅんすけ ・2024-04-20 ・74pv
#アート #コレクター #読書ログ

アートコレクター入門【最初の一歩。どこで何を買うのか】

少し大袈裟かもしれないけど、本物のアートコレクターを目指す人にとっては、他に類を見ない最適な入門書だと思う。お世辞にも景気がいいとは言えない2024年の日本で、歴史ある老舗の画商が対話形式で読みやすく敷居を下げているのも好感が持てる。

アートコレクターというとお金持ちの趣味という印象しかないような人に対しても、誰にでもなることができる1つの生き方として、その一歩を踏み出すための道標を優しく時に厳しく指南している。懐が大きいんだなと思う。

すごくボリュームのある内容で、自分はすでに知り合いの画商から聞いていた話も多かったけど、改めて活字で読むと、より頭に入るし何より書籍として常に読み返せるのが有難い。


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自分のことだが、僕は大学を卒業してから何か社会貢献できる事業を創りたいと思って、いくつかのことを犠牲にしてきたが、自分自身の生き方を見失っていたように思う。

ふとしたきっかけで関わったアートの世界においても、これといった必然性はなく、つながり続けるのは難しいと思っていたが、それでもつながり続けるために、どこでどんなアートを買おうか迷っていた。

そこで、コレクターとして初めて買うアートについて〜どこで何を買うのか〜をこの本を読んで考えると、やはり自分はお世話になったギャラリーで備前焼を買いたいと思った。

自分がアートに関わる原体験となった街で、改めて自分自身を再スタートさせるのだ。



一生に1つでも2つでもいいから、アートを所有することで、現代の文化を支える構成員として、自分の肩書をもつのも悪くないように思える。

読書メモとして、これからも見返したい点を引用する。


アートがわからない人はビジネスもわからない

1.

しかし、日本人の「気づき」として大事なことだと思います。ビジネスに役立つ、という直接的な意味はこのコミュニケーション、共通の話題、教養、ということになりますね。しかも、楽しさと結びついている。楽しいことは、やっぱり人を結びつけますよね。

2.

はい、壮大です。でも、ビジネスで必要な要素だと思いますよ。やっぱりこれからのビジネスは世の中で誰も考えてないことを誰に反対されても出す、という勇気を持つことだと考えていて、それはアートと似ているということです。

3.

世界的に評価されるもの、百年経っても値段が落ちないものは、やはりアートでもその時代を変えたものなんですね。

4.

それと、大事なことは、事業をやるということは、世界を知り、(3)世界を集める、という意欲とつながっているということです。ビジネスっていうのは面白いもので、細々と同じペースでやろうとすると、時代の変化に耐えられなくなって、潰れてしまいます。一度やり始めたら、サービスの向上、規模の拡大を求める情熱がなければ、ちょっと不景気になった、とか好みが変わった、とか小さな原因で壊れてしまいます。アートをコレクションするのも、これは理由があってすることでもなくて、ある意味「究極の無駄遣い」です。

5.

アートを集めるのは「世界を理解する」、そして自分が所有する喜びとつながっていないと、何かすごく弱々しいコレクションになって、結局は人を引きつけることができない。

6.

でもね、成功する人って、本来「無一文」なんじゃないでしょうか。新しい大胆な事業をやるのって、失敗したら破産して無一文になるかもしれない、というリスクを取って仕事をするわけです。・・・大胆なことをやる人は「すべて失っても構わない」という覚悟でやるから成功するんではないでしょうか。あれもこれも失いたくないから新しいことはしない、という人ばっかりになって停滞しているのが今の日本だという気が僕はしています。


強欲だからこそ無欲である

7.

僕は清貧の代表みたいに言われている良寛和尚も、松尾芭蕉とか、まあ熊谷守一もちょっとそういうイメージかな、みんな「すごく面白い生き方をしたい」という意味ではすごく欲の強い人だったと思います。目に見える資産とか権威よりも自分が本当に面白いと思うことだけをしたということですね。削ぎ落としていく生き方を推奨する禅の考え方だって、すごく大きな欲を持っているように思います。無欲だから強欲になれる、強欲だからこそ無欲でもある、そういうところに成功の秘訣があるんじゃないかなと。

8.

武士道でも仏教でもビジネスでも、つながっている精神みたいなものがあるような気がするんですね。スティーブ・ジョブズは聖人君子では全然なくって悪どいところがたくさんあった人ですが、世界を変えた。その精神の根っこに、世界を知って、世界を変えたい欲望、それはアート収集の欲とつながっている気がするんですね。

9.

今、世の中で持て囃されているものがいいとは限らない。そこが一番肝です。コレクターなら長く持っていても良かったと思える美術品を買ってほしいと思います。それとアーティストなら今自分の作品がみんなと違っても、本当に高く評価される新しい表現を作ってほしい。

10.

でも、それでも、大きな流れの筋は、きちんと勉強しておくべきです。結局、価値は大きな流れの中で決まってきます。

11.

勉強というのは、世界中の美術館、日本中の美術館だけでなく、画廊とか、オークションとか、アーティストとか、画廊主とか、いろんな人に出会うこともそうですし、小説だとか、演劇だとか、映画だとか、周辺ジャンルの芸術を見ることも、旅行も、宗教体験も、大きく言えば全部含みます。

12.

アートコレクションにも、人生にも、スティーブ・ジョブズのように、積極的寄り道が大事だと思います。

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引用 アートコレクター入門


しゅんすけ

アートコレクターを目指して、当ウェブサイトを立ち上げる exhiworkを運営している管理人